会計処理を行う際に、どの時点で収益(売上高)や費用(仕入、経費)を計上するかで、その計算期間の利益が変わりますので、大切な視点になります。
例えば、商品を販売した時
① 販売金額の入金があった日に、売上高を計上する
・・・現金主義会計
② 販売をした日に、売上高を計上する
・・・発生主義会計
元々は現金主義会計で会計処理は行われていましたが、信用取引(売掛金)が増えたり、固定設備資産が増えたりしたことで、現金主義会計では業績評価のための、適正な期間損益計算を行えなくなったことで登場したのが、発生主義会計になります。
どちらが正しいとかではなく、適正に損益計算ができる方法を採用すればよく、実際、経理の現場でも、現金主義での処理、発生主義での処理、その両方を使っての処理など、事業者様ごとで、現場の処理がしやすい方法が採用されています。
ただ、視点を月次決算で見た場合には、発生主義会計の処理が必要になります。
特に、「売掛金」、「買掛金」での取引が多い、設備を多く必要とする事業形態などの場合には、減価償却の処理などで、その月の収支が変動するためです。
タイムリーに売上高や仕入高の集計や会計処理を行うことは、とても手間のかかる作業ですので大変ですが、月次決算を行いその内容を業績管理に活かすことで、事業の安定性や成長性に役立つことは確かなことです。
最近、事業の経営状況について正確に把握したい、年間を通してどの月がいいのか、悪いのかなどを知りたいなど、より踏み込んだ業績管理をお考えの事業者様には「発生主義処理での、月次決算」をご検討されてみては、いかがでしょうか?